吉岡徳仁×茂木健一郎

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<以下「プロフェショナル 仕事の流儀」 より吉岡徳仁茂木健一郎の会話>




茂木「ミラノの見本市で、ストローの壁に当てる照明にこだわって、最後までジダバタとねばっていらっしゃいましたよね。いつもそんな感じなのですか。」


吉岡「そうですね。もう、いつもギリギリまでアイデアを考えていますね。『何かいいヒントがないかな』と。」


茂木「どうしてそこまで諦めないのですか・」


吉岡「デザインを始めてからの癖というか、ずっとそうやってきましたからね。」


茂木「そうすると、『もう、このへんでいいや』と諦めてしまわれることはないんですか。」


吉岡「ないですね。もしも最初にいいアイデアが浮かんで、そのまますんなりいくと、
逆に不安になりますね。」


−ということは、ジタバタできないと不安になるのですか。


吉岡「何も問題がないことが不安になってきます。」


茂木「最後、だんだん時間切れになっていくときは、どんな気持ちなのでしょうか。」


吉岡「完成度がどんどん高くなっていくというかんじです。」


茂木「つまり、つくり込んでいって、最終的には『これでいい』とわかるときがくるわけですね。」


吉岡「ええ、そうです。自分でも『おっ、すごいな』と思える瞬間があるんですよ。それが出せたときが完成ですね。」


茂木「それは、最初から見えているのですが。それとも、『あれが足りない、これが足りない』と詰めていくうちに、自分でも意外なものが出たりするのでしょうか。」


吉岡「基本的には、半分は見えてないんですよね。だからつくる、という面もあります。見たことがないから、想像しながらいろいろつくっていくわけなんです。」


茂木「自分でも半分は見えていないものを追い求めて、つくろうとしている、ということですか。」


吉岡「ええ。ものができる瞬間から、もう自分は観客のほうにまわるという感じでしょうか。」


−なるほど。デザイナーというと、仕上がりがしっかりとイメージできているのかと思っていたのですが、違うんですね。


吉岡「僕の場合は違いますね。『こうなるだろう』と思って想像しながらつくるんですけれども、その中でいろいろなハプニングが起きて、その偶然性を取り入れながら仕上げていく、という感じです。」


  • この対談は吉岡氏の次のような言葉で締められています-


自分で限界を決めずに最後まで努力していくということでしょうか。
限界って人が決めているものじゃなくて、自分で決めてると思うんです。
こういう仕事をしていると「不可能」という言葉が良く出てきますが、
その不可能をアイデアで可能にしていかなければいけない。
それができる人がプロだと思います。

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東京ミッドタウンで吉岡氏の展示会が来年1月まで
開催されているみたいです。
上の言葉を噛み締めながら、今度みにいってみようと思います。




プロフェッショナル 仕事の流儀 勝負の決断はこうして下せ

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