中村洋基さんに話しを聞いてきました。 − クリエイティブなwebを作る舞台裏 −
厳選食材 かわしま屋です。こんにちわ。
＜Mdnのデザイナー・ミーツ・デザイナーズ・プラスにて＞
中村洋基さんは電通でアートディレクター＆テクニカルディレクターをされている方で、
最近の仕事として「UNIQLO TRY」、「どこでもラストガイ」（SonyComputerEntertainment）、
「Wrap Mixer」（クレハ）があります。
その他の作品を閲覧できるサイトも興味のある方はご覧下さい。
すごく面白いです。
中村さんは1979年生まれの塚本高志似の青年。
とても気さくで話しの面白い方でした。
中村さんが今までにやられたバナー広告の仕事を中心に
興味深い話しを4時間位うかがうことができたんですが，
その中でも特に心に刺さった部分を要約します。
※僕が印象的だと思った部分を羅列して書いているのであまりまとまりがありません。
あしからず。
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Webの利用者の間に
「バナー広告＝つまらない、うざい ものだ」
という考えが定着してしまっている。
クリックしたらつまんないサイトにつれていかれるという印象が
強すぎてまずクリックしない。
クリックしてサイトに引き連れるという構造は
ただ綺麗なフラッシュを見せるだけのバナー広告にとっては難易度が高すぎる。
現にバナーのCPMはすごく低く、YahooトップページのバナーでさえCPM（クリック率）は0.1%。
要するに1000人中999人はクリックしないという状態。
誘引するサイトの何十倍も何百倍も露出しているんだから、
バナーは本サイトよりも面白いものであるべきだ。
インタラクティブ性をもたせてユーザーに一度遊んでもらう。体験してもらう。
ただ綺麗なバナーを見せるだけじゃなくて、起承転結をつけたい。
バナーに触れて遊んでもらうことでサイトへの印象もよくなり、導引率も高くなる。
- 例として中村さんの過去のお仕事2つピックアップ。-
○公共広告機構「Driver's Eye」
○公共広告機構「過去」
最近はJavaを使ったフローティング広告の提案が多い。
○HONDA カーナビ
○どこでもラストガイ
特にどこでもラストガイはゲーム性が高く、ブログパーツも置いたりして
ユーザーの「得」になる要素が多い。
世界中からアクセスが殺到し、2週間で70万を超えた。
限られた予算の中でも知恵とフットワークの軽さで
下のようなおもしろいサイトを作ってもいるみたいです。
DVカムをかかえて、友人のマンションを借りて撮影。
照明は月島の機材屋で自分で４万で調達。
画面の後ろにうつっているぬいぐるみは中村さん本人が着ている。
出演しているおむすび審査員はの方々は昔の知り合いの劇団員。
＜最後にまとめとして＞
技術力での勝負は意外と飽和状態で差別化が難しい。
本当に新しいものをつくろうと思ったら
友達や親を楽しませるようなものを考える。
ユーザーの「得」（メリット）を考える。
その上でコミュニケーションをデザインするのが重要だと思う。
だからアイデアがある人は強い。
技術力があるとアイデア力と掛け算になった強みになる。
技術は普段から蓄えておいて引き出しを沢山つくっておく。
でアイデアだしの際は、状況に応じた一番適した引き出しを選ぶ。
そういうスタンスで仕事をしている。
クリエイターとしてウェブの世界につまらないコンテンツをはびこらせてはいけない。
あたらしく面白いものをつくりつづけてユーザー/クライアントのリテラシーを高めていきたい。
追）チェックしているサイトとして
○The FWA (Favourite Website Awards)
○banner blog
などがあるそうです。
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との事でした。僕が要約した文章なので、本人の語り具合より
ぐっと説得力が落ちています。なおかつなんだか偉そうな印象を受けてしまうかも
しれません。
実際の中村さんはもっと柔らかい話しかたをされていたし、僕の要約の何倍も説得力がありました。
すごーく参考になりました。
ちなみに中村さんの手がけた「UNIQLO TRY２」が今日ローンチだそうです。
- 以下の中村さんのプロフィールは d2plusより抜粋しました。-
中村洋基（なかむら・ひろき）
1979年栃木県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、Webのテクニカルな側面から広告アイデアを考えるテクニカルディレクターとして、2002年から（株）電通に参加。最近のおもな仕事は「Wrap Mixer」、「UNIQLO TRY」、「モバＶ」、「どこでもラストガイ」など。バナー広告に作品が多い。国内外の広告賞受賞・審査員歴多数。
