竹中平蔵 「日本経済の行方」

竹中平蔵さんの講演を聞きに東京国際フォーラムに行ってきました。



2時間程度の話しだったのですが、
要点だけ箇条書きにしてみます。

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世界経済が張り詰めた状況の中
日本の政治経済には何の緊張感もない。
世界に醜態を晒している。


米国経済は今は痛んで厳しいが希望はある。
オバマは経済スタッフの選び方がすばらしい。

特に
財務長官ティモシー・ガイトナー
経済担当の大統領補佐官ローレンスサマーズ
等。


一方で日本は
銀行も経済もバランスシートはまた痛んでいない。
世界的にみても良好なほう。

それを政治が足を引っ張っている。


日本とアメリカでは政治と経済のコントラストがかなり違う。


政治がこんなにひどいのに日本はまだもっている。


グローバリゼーション
デジタル化などにより格差のひろがりは止まらない。
付加価値を生み出せる人が沢山のお金を得られる。


日本の株価が下がっているのはサブプライムのせいではない。
政治が原因で経済が停滞しているせいだ。
改革が止まってしまっている。
2007年の小泉首相の時、日本の経済成長率は2.5パーセント。
このまま3パーセントになるのでは、といわれていた。
今は成長率1パーセント。


今の不況は「コンプライアンス不況」
コンプライアンスという名目で政府の規制がすごく増えた。
建築基準法の改正や外資参入に対する規制など。
とくにJパワーの件はひどかった。
安全上の理屈という名目だが、本当は
経済産業省天下り先を守るための規制だ。


改革をすすめる。
行き過ぎた規制をなくす。
この2つが経済の活性に必要だ。


郵政民営化法案が可決された2005年、日本の株価は40パーセント上昇した。
世界経済が日本の未来を認めてくれた。
⇒政治が正しい方向に導けば日本の経済はもっと成長する。
それだけの底力がある。



金融商品としてのサブプライムローンには
問題はない。
問題なのは金融機関が持つ審査機関、格付け会社、経営体制。
不動産があがり続けるだろうという見方が甘かった。



日本経済活性化の為に3つの提案をしたい。


1.羽田空港をアジアのHUBに
成田空港の最終便は21時。
言い換えると21時以降日本の玄関は閉まってしまう。
世界一の経済都市(東京のGDPはロンドンの2倍、ニューヨークより大きい)
がよる9時以降シャッターを閉めてしまうのはおかしい!


定額給付金を止めて、羽田空港に使う。羽田のキャパを3倍にして
国際線を走らす。そして東京を世界のビジネスセンターにする。



2.法人税を下げる
日本の法人税は高すぎる(実行利率40%)。
下げていかないと優秀な企業は海外に籍をうつしていく。
将来的には下げざるおえなくなる。
いまのうちから法人税の低い特区をつくるなどの対策をとるべき。



3.東京大学を民営化に


日本も中国やフランスのように国家プロジェクトとして
強い大学をつくっていくべき。


世界の大学トップ10の中に国立大学は1つもない。
東京大学は19位


文部科学省の制約をとっぱらって、
世界5位に入るような教育機関にする。
そこで技術力や人材を育てる。


いまの日本。政治がこれだけひどいのに
経済がまだ大丈夫でいられるのは、日本経済がすごく
優秀であるから。
どうしようもなくなる前に政治が正しい方向に
ひっぱっていくべき。


政治的なリーダーは
国民の声を聞くべき。それはあたりまえのこと。
本当に大事なのは、表面上反対されても絶対に必要なものを
国民を説得し、推し進めること。




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ということだそうです。


3000人以上の聴衆の中、堂々と話す竹中さんの姿は
素晴らしく、感動的でした。


最後に福沢諭吉学問のすすめの一節を引用し、
スピーチを締めくくってらっしゃいました。


「国民一人一人が独立しなければ国家の独立はありえない。」


だそうです。
ビエンビエン!


○Summit on the Global Agenda - Heizo Takenaka