カールロジャーズ入門 -自分が"自分"になるということ− その1

厳選食材 かわしま屋です。こんにちわ。


カウンセリングの神様とよばれるカールロジャーズに関する本。
ロジャースとは一体何者だったのかという事と、彼そのエッセンスがわかりやすく
書いて有ります。


先日この本を知人の紹介で読み、
そこではじめてカールロジャーズという人のこと
を知りました。


印象的だった箇所を幾つか紹介します。

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・実現傾向(actualizing tendency)

ロジャーズによれば、花であれ木であれ、海草であれミミズであれ、
猿であれ人間であれ、ありとあらゆる生命体は、
自らの可能性を実現して
いくようにできています。
「内的な刺激があろうとなかろうと、環境が好ましかろうと好ましくなかろうと
有機体の行動は自らを維持し強化し
再生産する方向に向かっています。
これが私たちが<いのち>と呼んでいる
プロセスの本質です。



平たく言えば、この世における
すべての<いのち>あるものは、
本来自らにあたえられた<いのちの働き>を発揮して、
よりよく強く生きるよう定められている、
というわけです。


例としてロジャーズは、彼が少年時代に見た、
小さな窓しかない
地下室の貯蔵庫に入れられていた
ジャガイモを引き合いに出します。
2メートルも地下に置かれているそのジャガイモは
それでも窓からもれてくる薄日に届こうと
60センチも90センチも延びていく。
ここに彼は生命の本質を見ます。


「<いのち>は、たとえそれが開花することがなくても
あきらめません。
おそろしく歪んでしまった人生を生きている
クライエントと面接しながら、
州立病院に戻ってきた人たちと接しながら、
私はよく、あのジャガイモの芽を思い出します。
彼らはあまりにひどい状況を生きてきたために、
その人生は異常で
歪められ、人間らしくないように思えます。


けれどその基本的な志向性は
信頼することができるのです。
彼らの行動を理解する手がかりは、
もちろん自分に可能なやりかた
に限られてはいますが、
成長と生成に向かって
もがいているということです。


…この潜在的な建設的傾向が
パースンセンタードアプローチの基本なのです。」



このようにロジャースは、
人間とジャガイモとを共通のまなざしで捉えます。
ひとしくいのちの働き=実現傾向を分け与えられ、
条件さえ整えば
自らのいのちをよりよく生きる方向へ
さだめられた存在として両者を
捉えているのです。


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その2に続きます。


・Carl Rogers